M-1グランプリ2021振り返り
M-1グランプリ2021振り返りについて書く。
前置きとか書いてる余裕なく言いたい。
「おめでとう錦鯉!!」
正直泣いた。
顔をくしゃくしゃにして泣いた。
一緒に見ていた妻もジーンとしていた。
審査員の塙さん、トミー(富澤さん)も感極まっていた。
志半ばで諦めていく人達が圧倒的な中で
50歳と43歳で満開になる花。
龍になる鯉。
なんと美しい優勝、美しい人生だろう。
昨年のマヂカルラブリーもまるで映画だったが今年もまた映画だった。
それぞれの感想は個別に書くとして
全組面白かったと自信を持って言える大会だった。
ミルクボーイのような超爆発は無かったものの、
平均レベルはかなり高かったのでは無いだろうか。
今年のM1は例年と比較しても大成功だ。
あと今年も上戸彩が可愛かった。
無名の人達の実力がハンパではなかった。
最終決勝こそ歴戦の戦士達になったが
初登場5組の「世の中にはまだまだ面白いコンビがたくさん居るんだな」感がエグかった。
M-1最高!!
では順番に感想を書いていく。
(素人である40歳のおじさんの総評です。趣味で書いてるだけなので「そう感じる人も居るんだな」くらいの視点でお願いいたします。基本的に芸人含めお笑い従事者全員を尊敬している筆者です。)
とりあえず順番を整理だ。
<ファーストステージ>
1番手:モグライダー
2番手:ランジャタイ
3番手:ゆにばーす
4番手:ハライチ
5番手:真空ジェシカ
6番手:オズワルド
7番手:ロングコートダディ
8番手:錦鯉
9番手:インディアンス
10番手:もも
<最終決戦>
1番手:インディアンス
2番手:錦鯉
3番手:オズワルド
※ネタの名前は正式名称を知らないので印象で書いています。信じないように。
トップバッター史上最高得点。
同期はバラバラで芝氏はハリセンボン、ライス、パンサー。
ともしげ氏は三四郎、トレンディエンジェル。
歌いだしの「いいえ私は」を「そうよ私は」に変えたい。
リーゼントで怖そうな芝氏、おもしろポンコツともしげ氏。
初挑戦とは思えない完成度。
芝氏の実力は相当なものだった。
ともしげ氏の愛嬌が国民にウケたかは今後の露出量で推して知る事が出来るだろう。
決勝前インタビューで芝氏が「6000組以上の参加者、審査員、スタッフ全員でM1というネタを作る、その中で1番強いボケが優勝する」というコメントをしていて凄く好感が持てた。
1番笑ったのは「わー美川さんだー!」「もったいないんだよこの時間!」のところ。
後日談:別の番組で見せた幻の2本目、矢沢永吉もめちゃくちゃ面白かった。
2番手:ランジャタイ(グレープカンパニー)
M-1史上1番ウケた最下位。
同期は渡辺直美、ジャングルポケット、見取り図。(但し伊藤氏がNSCをクビになっている。)
ファンからすれば「世界がランジャタイを知ってしまった。」という感じだろう。
もし、ランジャタイに対して悪い感情を持っている方が居たなら彼らがどういう気持ちであの場に望んでいるか分かるコラムが有るのでこちらを読んで欲しい。
筆者の記事などすっ飛ばしてこちらを読む方が有意義だ。
あの日々の、延長線上に。(ランジャタイ国崎) - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
メリットしかない最下位だったとはかまいたち山内氏のコメント。
爪痕だけで言えば優勝。
ネタは風の強い日に猫が飛んでくる、という風猫。
お笑いマニアや芸人に好まれるコンビというイメージが強い。
どちらかと言うと国崎氏が「真面目にやってた」ので安心した。(本当にぶっ飛んでるのは伊藤氏だが。)
狂気と計算の境目が分からない。先生の言う事を聞かずにずっとふざけてる奴ら。
でもネタをめちゃくちゃ熱心に練習するらしい。(サンドウィッチマン伊達ちゃん談)
なので時間を守ったり出番後のトークも大人しめだったので「あ、ちゃんとやってんな」という印象だった。皮肉ではない。
筆者は男だが国崎氏の笑顔が大好きだ。屈託のない笑い方は学校で面白かった奴の笑い方そのもの。
1番笑ったのは猫ちゃんが尻尾をひっぱられるところ。
3番手:ゆにばーす(吉本興業)
唯一の男女コンビ。
同期に霜降り明星。
ネタは男女間の友情は成立するか、というもの。
男女コンビにしか出来ないネタで、溜めてドカンだった。
教科書に載せても良いだろうというくらい綺麗な漫才。
巨人師匠の言う「力が入り過ぎていた」という評が印象的。
川瀬名人は命を賭けてる感がむき出しの刀みたいなので、
大会を楽しむって感じも大事やでってニュアンスなんだろうか、筆者には無理だ。
ゆにばーす面白い!面白かった!って人はTwitterでたくさん見る。
M1で女性王者はまだ居ない。
女性王者が出たら未来の上沼さんポジションだ。
放心状態の川瀬名人を庇ってビートたけしのモノマネをしたはらちゃんの素敵なこと。
また来年頑張って欲しい。
1番笑ったのは「じゃあうちらってどうなんの?」「俺爆裂不利やんけ!」のところ。
(個人的にこの「爆裂不利やんけ」からの立場逆転がピークだったのでその後にもう一度爆発が有れば最終決戦にいけたと思う。)
4番手:ハライチ(ワタナベエンターテインメント)
敗者復活組。
テレビ投票で筆者はハライチに入れたので嬉しい。
普段媚びない岩井氏がTwitterで「恥を忍んで投票お願いします。」と言っていたのが決め手となった。
ネタは新しい趣味を見つける、というもの。
今まで見てきたハライチとは全く違うスタイルで普段見せない岩井氏のぶっ飛びが出ていて面白かった。
ラストイヤーとは言えもう充分に売れているのに出場した事は格好いい。
「リスクしかいないのに凄いな」とはかまいたち山内氏。
結果は残念だったが最後の笑顔も含めてお見事な卒業だった。
ハライチって、コンビで面白いなと改めて感じたので今後の活躍に益々磨きがかかるだろう。
1番笑ったのは澤部氏の「やめてくれるかな!だから!ずっと、ずっとやいのやいの。」のところ。
カズレーザーが365日後に優勝するとツイートして固定している。
オズワルドと同期。(他に空気階段)
川北氏は慶応、ガク氏は青山学院という高学歴コンビなだけあってインテリジェンス感じるボケが多かった。
せり上がりで川北氏がカメラにアピールしていたのでちょっと苦手なタイプかなと思っていたが始まったら10秒もせず笑っていた。
ネタは「1日市長」をやってみたい。
爆発こそないものの全部面白かった。ずっと笑ってた。
アニメに出てきそうなヘアスタイルのガク氏が弱く善良な感じで突っ込む感じが後を引く。
(司会の今田さん曰く)優勝するには爆発が必要らしいので来年は引き寄せて爆発が生まれたらカズレーザーの予言は当たるはずだ。
女性ウケするようで筆者の職場の女性は彼らが好きだと言っていた。
1番笑ったのは「ミッキーは1人じゃないですか。アハハ、今年初笑いです。」のところ。
6番手:オズワルド(吉本興業)
優勝候補筆頭。
今年覚醒した畠中氏は無双状態だった。
本人達も1本目「友達が欲しい」で1位を取ったので優勝した気になってしまったと言っていた。
シュールなだけでなく分かりやすい笑いを入れた事で色んな人からの支持が凄かったのだろう。
妹さんがTwitterで応援する中だったが、伊藤氏は2本目の途中で「ダメかも」と思ったらしい。
これがM1、これが決勝だなと思った。
勝負の世界は何が起こるか分からない。
1本目、優勝間違いなしのプレッシャーをはねのけたオズワルドには拍手しかない。
筆者は伊藤氏の高い声が好きだ。
1番笑ったのは「小林って男は(略)詐欺師って言われても仕方ない男なんだよ。……小林いらねーなー!」のところ。
肉うどんの人達。
同期はインディアンス。
2020年キングオブコントのファイナリスト。
黒目のスーツがおしゃれな肉うどんと天界の人。
ネタは「生まれかわり(転生)」、台本は1番面白かった。発想が凄い、奇才。
コントを漫才にした形だがマイクが無いところで終わった所が減点に繋がった。
「この人達、他のネタも面白いんだろうな~」と思わせる事に成功していると思う。
2本目も見たかったが決勝3組が凄すぎた。残念。
1番笑ったのは「あなたはワニ。おまえは肉うどん(2回目)」のところ。
8番手:錦鯉(ソニー・ミュージックアーティスツ)
17代目M-1グランプリ王者。
優勝巡礼で倒れないか危惧されている。
昨年からの人気者。中年の星。50歳からでも光る人生。
こーんにちは~!うるせえよの人達。
超がつくほど忙しい1年だったが昨年のM1終了時に「今年も出る」と宣言してしまった為に体に鞭を打って参加。
まさのりさん(スキンヘッド)はM-1の暫定ルームシステムを理解していなかった事が決勝前インタビューで判明する。
1本目は「合コン」、2本目は「猿の捕獲」。
ファーストラウンドでは2位。最終決戦は圧勝で優勝。
まさのりさんの親友であるタカアンドトシも泣いて喜んでいるだろう。
おバカを追求した笑いは小学生にも大人気。志村けんさんに通じるモノがあるかもしれない。
今年は伏線回収まで入れた構成でツッコミ渡辺氏の腕が光った。
超多忙の中であれだけの漫才が作れるって凄すぎる。(追記:後に渡辺氏が過去ネタをブラッシュアップさせたとコメント。)
畳みかけ、ラッシュも凄かった。ゲラゲラ笑った。
直前に流れるコピーも良かった。
「俺たちは、年を取れば取るほど面白い!」
1番笑ったのは「古今東西いえーい!50歳過ぎると体の痛くなる場所。(ぱんぱん)ヒーザ!!!」のところ。
後日談:まさのりさんは「らいふいずびゅーてぃふる」の意味を知らずM1終了後のホテル前で渡辺氏にどういう意味なのかを聞いていた事が明らかになる。
9番手:インディアンス(吉本興業)
ボケマシンガン。楽天モバイル。
同期にロングコートダディ。
インディアンス史上1番面白かった。
田渕氏がボケの千本ノック状態に入ると基本的に何言ってるか分からなくなるのが売りでもあり弱点でもあった。
本筋からも外れてしまうのでずっとボケてたけどどんなネタかは説明出来ないというのが従来だった。
今年はボケの数こそ多いものの相方のきむ氏が本筋に戻すのが上手くなり分かりやすく面白く何度か爆発があった。
最終決戦へ行くべくして行ったなという笑いの量。
1本目は「オカルト趣味」2本目は「売れたい」。
来年も間違いなくファイナリストになるだろう、優勝するかも。
1番笑ったのはオチの「人形が言うねん。お前たちは誰だ~!」「どーもー!インディアンスでーす!」のところ。
オチで爆発するってめちゃくちゃ凄い。インディアンスは凄い。
10番手:もも(吉本興業)
モ↑モ↑ではない。果物の桃と同じ発音。
「なんでやねん!〇〇顔やろ!」の人達。
同期にゆりやんレトリィバァ、からし蓮根。
今日は何処の学校でも〇〇顔やろ!が流行っている事だろう。
松ちゃんが数年後に優勝すると予言したところ、来年優勝しますと言い切ったのはギラギラしていて好印象だった。
1番笑ったのは「俺めっちゃ妹欲しい。」「おい!お前そんな言うたらあかん顔やぞ!」のところ。チャンピオンベルト顔も好き。
まだまだ書きたい熱は有るがここまででも充分な文章量なのでやめておく。
それにしても・・・
初出場のコンビは飛び上がるほど喜ぶ。
2回目以降のコンビは優勝すると「やっとM1卒業できる」と言う。
不思議な大会である。
何にせよ今年は全組面白い、無名も凄い、50歳でも優勝出来る、
正にM-1最高!な年となった。
<余談>
笑い飯の西田氏はランジャタイや真空ジェシカが暫定ルームで小道具を使った事から「来年以降は暫定ルームに持ち込みする奴が増えそう」と警鐘を鳴らしていた。
今後そうなるのかもしれない。
おしまい。
これまでに書いたM1記事はこちらです。
よしなにお願いいたします。