モグライダーについて書く。
(相変わらず著作権の知識が無いので画像は使わない。マセキの公式サイトから画像を拝借しようかと思ったが無断転載禁止とハッキリ書いてあった。)
モグライダー、真空ジェシカ、ロングコートダディ、ももは聞いたことも無かった。
しかし、何故か1番リピートしているのがモグライダーだ。
めちゃくちゃ面白くないかこのネタ、この作り、この顔。
何回見ても笑う。
並んで立っているのに3歩くらい前に出ているみたいだ。
ツッコミの芝氏(38)とボケのともしげ氏(39)のコンビ。
ともしげ氏はボケというよりポンコツだ。それもガチのポンコツっぽい。
芝氏は既婚で子持ち。メガネを取るとイケメンだ。
どうやら漫才のベースは決まっていて、
ミルクボーイのように題材を変えて行う形式のようだった。
ツッコミの芝氏がポンコツなともしげ氏に
「ギリギリクリア出来ないであろう課題」を与え、
ともしげ氏が一生懸命やるも失敗する様に芝氏がその場の感じでツッコミを入れる。
アドリブ色の強いコンビだった。
(その場で急に課題を追加して追い込む事も有るようだ。)
ともしげ氏のポンコツっぷり(言えない、出来ない、滑舌悪い)がメインなのだが
芝氏のツッコミの力量が無いと成り立たないコンビだ。
ともしげ氏のコミカルな外見と「バカだけど一生懸命やる姿」は笑いを誘う。
芝氏は今すぐゴールデン番組が務まるほど上手だと思う。
伊集院光さんによればコント55号のやりかたを踏襲しているらしい。
筆者は今年40歳なので55号はちょっと世代ではない。
だから筆者とほぼ同世代のモグライダーがそれを意識しているかは分からない。
分からないがマセキ芸能社の公式youtubeで他のネタを見てみると
題材となる人(M1なら美川憲一さん)や物を変えて色んなバリエーションでやっていた。
田原俊彦さん、蘆田愛菜ちゃん、森進一さん、ファミコン、織田信長などなどだ。
Youtubeでは発見出来なかったが、
筆者が1番面白かったのはM1直後にアベマTVでスピードワゴンの番組で見せた矢沢永吉だ。
こららの54:30あたりから始まる。(あと5日間で無料期間が終わってしまうのでお早めに)
これ本当に面白い。
絶対に電車内で見ちゃいけないやつ。
来年のM-1はこれで戦ってほしい。
永ちゃんの歌を知らなくても笑えると思う。
芝氏は数々の名言を残している。
- 笑いは100の力でやらないと面白くない。
- 参加者6000組、審査員、スタッフ、その全員でM-1という1本のネタを作る。
- 努力できないやつが神社に行ってもしょうがない。
モグライダーは今後注目コンビになった。
おしまい(仮)
<ここからはあくまで個人の感想です、昨日今日知った人が書いてますのでファンの人怒らないでください。>
他のネタもYoutubeにあったので10本くらい見た。
さすがに全打席ホームランというわけではなく
明確に打率は出せないが3割くらいが面白かった。
客席のウケで言うと6割くらいはウケていた。
臨場感の違い。
そして、ライブまで足を運ぶお笑いファンと普通のお笑い好き程度の筆者、
その違いだろう。
どこまでがネタでどこまでがアドリブか分からないがホームランだと思う。
上で紹介したアベマで芝氏が言っているのだが、
ネタ(台本)をきちんと作らないコンビらしい。
日本一練習をしないコンビとも言っている。
コンセプトだけ決めて舞台に出る。
ジュースのペットボトルに書いてある原材料名をともしげ氏に読ませてツッコミするだけという事もあったようだ。
筆者はこれを聞いてモグライダーがモグラだった所以に納得してしまった。
こんなに面白いのにブレイクしない原因は正に、
才能が足を引っ張り出世できない人の典型だからだ。(ファンの人怒らないで。)
真面目にネタを作らなくても笑いを取れてしまう。
アドリブ性が強いからたまに満塁ホームランが出る。
満塁ホームランが出るとこれで良いやと思う。芸人仲間からも絶賛される。
逆に言うと真面目にネタを作るのが馬鹿らしくなったり怖くなる。
ウケがいまいちの時は「まぁ俺らアドリブだからな」と納得しやすい理由を自分達に作ってしまう。
確かに準備せず成功する人は居る。
その方が格好良いし芸人らしいだろう。
同業から「あいつらすげえ」と言われるだろう。
アンタッチャブルは漫才の台本が3行くらいしか無いと言っていた。
だがそれで成功するのはかなり稀だし、行き当たりばったりで成立させている訳ではない。
また、ザキヤマさんはアドリブの天才だがそれを他の人が真似して同じように面白く出来る訳ではない。
そこには見えないだけでセンスと計算が有る。(柴田さんはネタ帳に使いたいツッコミワードがびっしりだ。)
本来はちゃんとネタを作り、スベったら練り直し改善していく方が良いに決まっている。
コアなお笑いファンはアドリブを好むかもしれない、でも我々一般の人は台本が有る事に何のマイナス感情も感じない。
多くの人にウケる事と自分がやりたい事、その折り合いが上手くつかないと売れないのは世の常だ。
こと、M-1を成功の基点と考えているならアドリブでやるにしても絶対に出すワードやボケを決めていた方が良いだろう。
M-1採点後のナイツ塙さんやサンドウィッチマンのトミーのコメント通りだ。
(塙さん「ネタの力を信じた結果」、トミー「M-1を意識して仕上げてきた」)
芝氏は自身の子供を笑わせる時にそれに気が付き、
ネタやM-1と真摯に向き合う決心をしたとインタビューで言っていた。
(上の名言の1つである「笑いは100の力でやらないと面白くない。」がそれだ。)
もともと才能が有る人が正しい方向へ努力すれば結果が付いてくるのは当たり前だ。
それがM-1ファイナリストになれたという事であるし、トップバッター史上最高得点という快挙も遂げた。
優勝した錦鯉の渡辺氏も言っていた。
「(売れたあとの世界がこんなにも素晴らしいなら)何故若いころもっと努力をしなかったのか。」
GERAというアプリで昨年のM1に出る前の錦鯉のラジオトークが聴ける。(今年のM1で使われた「一口カツを二口で食べる人、会いた~い会いた~い。」や去年の「キャラメルは銀歯ドロボウ」などがこの時点で有った事が聴ける。)
ブレイク前と後で特に変わった点はない。面白い。
錦鯉も売れる前から才能が有ったのだ。
錦鯉が売れる為に何をどうしたのかは分からない。
モグライダーも具体的には分からないが2組とも共通してるのは
何かをきっかけに真摯に向き合う事にした、という点だ。
真摯に向き合う事は怖い。すごく怖い。
自分に才能が無い事を認めざるを得なくなる可能性が有る。
全力を出さなければ「俺はまだ全力じゃない」と言い訳出来る。
自分から目を背けている方が楽だ。
かくいう筆者がそうだった。
(32くらいでようやく自分は凡人だとハッキリ認めた。認めた上でチームの為に何が出来るかを考えるようにした。)
全力を出し、結果が付いてくれば更に努力する。
付いてこなければ方法を変えるか、辞める。
努力できない奴が神社に行っても仕方ないとは本人の言葉だ。
努力はしていたんだろうが方向が間違っていたのもかもしれない。
ポンコツが売りのともしげ氏を「ボケ」にしないといけない。
それは賭けだっただろう。
どこまでが天然でどこまでが養殖かを分からなくする技術も難しそうだ。
だけどそこがプロとアマの違いかもしれない。
100%養殖で全然問題無い、と筆者のような一般人は思う。
だけどポンコツなともしげ氏が一言一句台本を覚えてくるのは良さを消してしまう。
どこまでを計算したネタに、どこまでをアドリブにするか。
そのさじ加減、最適解を導き出した。努力して。
モグライダーは正しい方向に全力を注いで実を結んだ。
格好良い。
偉そうな事を書いている筆者は今でも平凡なサラリーマンだ。
だから夢を追っている職業の人達を応援したい。
才能が有るなら尚の事。努力しているなら尚の事。
来年もM1決勝で見れる事を期待してます。
頑張れモグライダー!
おしまい。
<追伸>
毎度ブログに星を頂ける方々、本当にありがとうございます。
とても励みになっております。
過去のM-1の記事はこちら。
よしなにお願いいたします。