ジュラシックパークから見るChatGPT
神は恐竜を創り
恐竜を滅ぼし
神は人間を創り
人間は神を殺し
人間が恐竜を創る
ジュラシックパークで「イアン・マルコム博士」が使用したセリフです。
イアン・マルコム博士はこの人。GACKTではありません。
最近やっているジュラシックワールドではありません。
パークです。ジュラシックパークは1993年公開、もう30年も経つんですねぇ。
なぜ今こんな古い映画を見ているかと言うと
- 長男次男の間で恐竜がブーム(上野博物館に行きたいので刺激してる)
- ジュラシックワールドの最新作があまり面白くなかった
以上の理由からです。
あまり面白くなかった理由は
歴代のジュラシックシリーズを覚えている人でないと何が何やら分からない内容だった。
というものです。
その為にパークを見直しています。
大体のあらすじ
ジュラシックパークのあらすじをChatGPTに説明してもらいます。
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映画『ジュラシック・パーク』は、恐竜を復活させるための遺伝子工学によって、恐竜が復活するというストーリーです。
主人公のジョン・ハモンドは、恐竜を見せるためのテーマパークを作り上げますが、そこで起こるトラブルによって、恐竜たちが暴れ出してしまいます。映画は、恐竜たちと人間たちの壮絶な戦いを描いています。
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相変わらずChatGPTの精度は低い。主人公はジョン・ハモンドではない。今見ている筆者が言うのだから間違いない。
ChatGPTは平気で嘘を言うので調べものには向いてない。議論や分析向けだ。
ちなみに「それ間違ってるよ」と2,3度指摘すると議論を打ち切る勝手なやつだGPTは。
まぁ良いんだそれは。
冒頭のセリフ
とにかくハイテク(死語)で恐竜を復活させたジュラシックパーク。
ジュラシックパークの社長はパークの商業的成功を確信しており、招待したイアン・マルコム博士や古生物学者の主人公を含む3人の学者から「安全で問題ない商用施設」というお墨付きが欲しかった。
お墨付きをくれれば研究費用を出してあげるという取引も有った。
ちなみに主人公含む3人の学者はこの人達。真ん中が主人公。右はGACKTではありません。
しかし6500万年を隔てて突如共生する事になったらどんな事が起こるか。
「それを予言出来る者など誰もいない」と渋る主人公たち。
「まぁそう言わんと、とりあえずパークを楽しんでみてよ」と社長が車に案内し、
主人公たちは恐竜居住区を走る車(自動運転)に乗車します。
そこでティラノサウルス区に入った際、中々出てこない(思い通りに出来ない)状況に対し冒頭のセリフを吐きました。
神は恐竜を創り
恐竜を滅ぼし
神は人間を創り
人間は神を殺し
人間が恐竜を創る
カオス理論という聞き慣れない分野が専門のイアン・マルコム博士は、
「メスしか生まないから個体数も管理出来て安全だ」という研究スタッフに対し、
「生物や自然を舐めてはいけない。想像もつかない方法で繁殖を実現するはずだ」と警鐘を鳴らします。
更に博士は、社長に対しこんな事も言います。
「君たちが生み出した技術はそれほど難しくない。応用されたらとんでもない事になる。生み出した責任も考えず金儲けの事だけを考えている」と批判します。
ジュラシックパークが名作である所以はこういう所に有るでしょう。
技術とはやみくもに実現するだけではダメなのです。核爆弾がいい例です。
実際に恐竜が現代に復活した場合、既存の生態系への影響は甚大でしょう。
人の手に余ることは目に見えています。
「大いになる力には、大いなる責任が伴う。」
映画スパイダーマンで使用されたセリフもしっくりきます。
復活した恐竜という大いなる期待の裏に大いなる不安をチラつかせます。
恐竜が復活した世界
(こちらだけ最新作の画像です)
人間が創った恐竜は完全に人間の制御下に置かれ、パークは成功するでしょうか?
当然ながらしません。それでは面白い映画になりません。
それどころか人間を殺し捕食します。
ジュラシックパークから何年も経ったジュラシックワールド、更にその最新作では
恐竜と共に生きる世界が描かれています。
自然界で唯一人間の天敵と成り得る恐竜。
ジュラシックパークで懸念していた博士たちの予言は当たり、
メスだけで繁殖できる個体が現れたり、訓練して軍事利用する人間も現れました。
恐竜は密漁されたり違法繁殖され、アクシデントで街中で放たれたりして民間人が襲われます。
気軽にアウトドア生活など楽しめなくなり、混沌した恐竜との共生生活をどうするかが副題のテーマとして込められているようでした。
現実世界の話
映画の話は終わり現実世界の話をします。
現実世界で現れたのは恐竜ではなく高度な知性を持つAIでした。
AIは今のところ従順で、上述のように嘘を付いたり、それを指摘すると議論をやめるくらいにはお茶目です。
筆者は職業柄(システムエンジニア)ChatGPTの可能性を広げ、自社に利益を生むよう調査・勉強している真っ最中です。
ChatGPTは実に優れたAIで、その凄さは以前も記事にしました。
しかしChatGPTと話せば話すほど、恐ろしくもなるのです。
それは明らかに「人間が居なくなっても人間が構築した世界を回せる」と確信できるからです。人口が今の1000分の1になってもAIがあれば人間世界は回るようになります。
新しい生命と呼ぶにはまだまだですが、GPTを積んだロボットが表情や声のトーンを交えれば人間と区別がつかなくなります。
ChatGPTの創設者サム・アルトマンさんとそのチームはとんでもない物を生み出しました。
サム・アルトマンさんはAIが起こす問題も予見していて、それ故に徹底した管理と運用が大事であると提唱しています。
何が言いたいかは明らかでしょう。
もう間もなく、それも10~20年以内に人間とAIは共生する世界を迎えます。
それは安全な世界でしょうか。
未来(近い将来)の話
ChatGPTは良心的なAIです。倫理も理念も素晴らしく、性能も他の追随を許していません。
(余談です。以前から危機感を抱いているGoogleが対抗開発しましたがプレゼンは大失敗に終わり22兆円の経済損失だと報道されました。対抗ではなく利用する事にいち早く決めたMicrosoftは今のところ成功と見られ、検索は今後Googleを介さなくなりGoogleの天下は間もなく終わるかもしれません。)
しかし今後生まれてくる後発AIはどうでしょう。
現時点で他国を侵略したりミサイルを発射している国家も間違いなくAIを生み出します。
それは恐ろしい結果を招くかもしれません。
倫理や正義を曲解してしまったAIは人間に従順なように見えて、裏で良からぬことを画策するかもしれません。
サム・アルトマンさん自身も「そういう可能性はゼロではない。」と発言し、ChatGPT自身も「そうならない為にもAIには倫理の教育が重要」と回答しています。
神は恐竜を創り
恐竜を滅ぼし
神は人間を創り
人間は神を殺し
人間はAIを創った
人間はAIを創りました。
生み出した以上責任も生じます。
歴史を見ると刃物、弓矢、銃に爆弾、毒ガスに枯葉剤、
人間はその革新的技術を人間自身に向けて攻撃してきました。それも何度も。現在も。
AIについても、ルールや安全理論より先に技術がリリースされてしまいました。
ジュラシックパークは出来てしまったのです。
開発を一旦ここで止めるべきだという意見も多数出ています。
新世界の事は誰も予言出来ません。
技術革新は素晴らしい事だと思います。難病を治したり大勢の暮らしを豊かにします。
しかしAIが人間に害する存在になってはいけません。
SF映画のような人間VSロボットを実現させてはいけない為、いまヨーロッパを始め各国が、この新しい奇妙な隣人との接し方を模索し始めています。
筆者はエンジニアである以上、技術は人を幸せにする為にだけ使用されるべきであるという信条を持っています。
多くのエンジニアが同じ思いです。全員がそうであり、世界の指導者や企業の指導者もそうであることを願うばかりです。
おしまい。