つつがなくそつがなく

ふらっと訪れクスっとしてもらう事を目指すブログ

Fleabagが面白かった話

~人生はクソだが大好きだ~

 

Amazonオリジナルでも特に評価の高い「ジェレミー・クラークソン農家になる」で吐かれたセリフです。
筆者はこの言葉が大好きです。

 

このセリフはジェレミーが慣れない農家生活で何をやっても上手くいかず、更に追い打ちをかけるような事態が訪れた時に出ました。
このセリフは筆者に困難が訪れた時、気持ちの支えになっています。

 

Fleabag

 

Amazon.co.jp: フリーバッグ シーズン1を観る | Prime Video

 


先日このセリフがピッタリなドラマと出会えました。
それがFleabag(フリーバッグ)で、今回はその感想です。Amazon primeで見れます。
(通勤中に見るドラマや映画を探していたらやたら高評価な本作が表示されました。)

本作はシーズン2まで出ているので全12話。
シーズン3は今のところ予定されていないが数々の賞を受賞した人気作品です。

 

 

 

1,142点のFleabag Television Showのストックフォト - Getty Images

 

 

ちなみにおっ●いやお尻は出ませんが性的表現が多いので個人的には15禁です。

1割の人は開始2分で視聴をやめるだろう。我が子にはまだ見せられない。
(オバマ元大統領も絶賛したとかしてないとか。)


Fleabagはイギリスの(おそらく)スラングで、「だらしない女性」という意味らしい。
さすが皮肉の国イギリスである。

確かに主人公はだらしない。
何がだらしないって性にだらしない。たまに窃盗もする。
だらしない自分に嫌気がさしている。
ちなみに名前は明かされない。自分の事を私と呼び、周りの人も名前は呼ばない。

 

あらすじ

Amazon】Prime Videoおすすめ作品深掘り紹介『Fleabag フリーバッグ』シーズン1 | novice

 

とりあえずAIのChatGPTにあらすじを説明してもらう。
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『Fleabag』は、イギリスの女優・作家フィービー・ウォーラー=ブリッジズによって創作され、主演も務めたテレビドラマシリーズです。

 

物語の主人公は、名前のない女性で、彼女は自己中心的で、不道徳で、時には卑猥な言動を繰り返します。彼女は喫茶店を経営しており、家族や友人たちとの関係、恋愛、性的な体験、喪失などを通じて自分自身を探求し、成長していきます。

 

彼女の家族は彼女を憎んでおり、彼女は父親との関係に苦しんでいます。彼女は恋愛関係でもうまくいかず、時には不倫をしてしまいます。しかし、最後に彼女は自分自身を受け入れ、自分の行動に責任を持ち、前進することを決めます。

 

このシリーズは、フィービー・ウォーラー=ブリッジズのユーモアと洞察力にあふれ、時にはシリアスなテーマを扱いながらも、真実味のある人物描写が際立っています。

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ChatGPTは触れなかったが本作はいわゆる「第4の壁」を越えて視聴者に語りかけてくる。
個人的に第4の壁を越える作品は、没頭感が薄れるのでそれほど好きじゃない。


だけど本作と「デッドプール」はその手法が自然で、逆にそれが魅力的になっている。
こちらに話す量やタイミングが適切で「そういうの良いから」という気分にさせない。

 

お話の構成

 

Fleabag has a big night at the Golden Globes after dominating at the Emmys

 

話の8割はコメディタッチで、残りの2割がシリアスだ。
こういう構成も好き。

 

ずっとシリアス、ずっとコメディでいるより
十中八九ふざけていて、たまにぶっこんでくるシリアスは不意を突かれて感動させられる。

普段ふざけているからこそ、そこに真実が有るような気がする。

 

なにせ人生はずっと笑顔ではいられない。
不道徳に、不真面目に生きていたって、
仕事、お金、友人、恋愛、家族、色んな事情が絡み合って、
どうしたって自分自身の深い内面と向き合わないといけない時がやってくる。


特に主人公は自他共に認めるだらしない人間だから色んな人に色んな事を言われて、色んな事をされて、傷つく。
人生のどん底を味わう。

 

Fleabag Season 2: Everything You Need To Know | Glamour UK


このドラマはあまりにもだらしない主人公に呆れながら笑っていく作品。

みんな私の人生も大概だけどこの人よりはマシくらいの感覚で楽しむ。


でも、我々視聴者だって完璧とは程遠い。

だから根っこの部分では私と同じという所で多くの人の共感を得られたんだろう。
Fleabagと僕らは、違いこそあれど、それほど遠くない悩みを抱える同族なんだと思えた。

 


人生はクソだ。マジでクソだ。

クソが!と言うセリフを3連発したくなる日も有る。

それも多々ある。みんなそうでしょう。(筆者だけ?)


嫌な事がたくさん降りかかってくる。不安もたくさん抱えなきゃいけない。

王様だろうと石油王だろうとみんな根っこは孤独なはず。

 

それを支えてくれたり分かち合えるのは家族だったり友達だったり恋人だったりするけど、
Fleabagである主人公は唯一の親友も居らず、家族も彼女の事を厄介者として見ている。


だから何とか1人で生きていかないといけない。
1人で生きていくのは辛い。孤独はしんどい。とてもしんどい。


だけどその最低な生活の中で、繋がりが出来て希望も湧いてくる事が有る。
新しい、友達とは呼べなくても気の置ける仲間や素敵な人との出会いも有る。

 

また裏切られる事も有る。何度も。
それでもたまに良い事が有る。巡る。循環する。

未来は誰にも分からない。

 

だから人生はクソだが大好きだ。

クソなのは間違いない。それでも大好きだ。

 

思うに、人と人が深く結びつくときは絶好調の時じゃない。

絶不調の時だ。

絶不調を味わった同士がそれを分かち合った時に仲が良くなる。

 

フリーバッグ(Fleabag)シーズン2も相変わらず面白い!神父と進化した演出を見よ! | 電脳ホテル

 

 

人生は続く。いつかは死ぬ。だから出来るだけ楽しもう。

希望に溢れてるなんて嘘っぱちだ。それでも生きる価値はある。


そう思える作品にまた1つ出会えたという内容でした。

笑い8割、涙2割、最後は晴れやかな気分になれます。

おススメです。


おしまい。