楽しいワールドカップ
「1試合の数プレーだけで個人、チームの未来を憂うほどサッカーは簡単ではない。」
「この状況を僕らが勝手に期待して、勝手にがっかりしているだけなので。」
ABEMAで解説していた本田圭佑さんの言葉だ。
吉田麻也への批判が止まらない。
監督への批判も見られた。
好意的に捉えて、ドイツに勝利した事で「わっ!」とワールドカップ熱が日本列島を駆け巡り、サッカーへの関心が高まった結果だとも言える。
日本サッカーを盛り上げたいという言葉は今回の日本代表選手の数多くが発しており、普段海外でプレーする選手でも日本人のサッカーへの関心がそれほど高くない現状を踏まえての事だろう。
関心が高まった結果、
ドイツに勝ったんだからという根拠を経て、
次の試合は勝ち試合が見れるぞと目論んだ多くの人達がゲンナリし、
その中の一部の人たちがSNSで批判している。
批判的な意見というものは目立つ。
90分間ノーミス出来る選手など居ない。
大小あれ、メッシだろうがクリロナだろうがミスはする。
(筆者が大好きな野球でも三冠王を取った村上くんだって3振するし半分以上はヒットにならずアウトになるのだ。大谷くんだって失投や三振する。)
79分間1点も取らせなかった事には触れられず、
たった1回の(結果的に中途半端な形になった)クリアで吉田は攻撃の的になってしまった。
DFやGKは厳しいポジションだ。
点が入ればFWやMFのあのシュートが良かった、あのパスが良かった。
点を入れられればDFやGKのあれが良くなかった、ここが悪かった。
ピッチャーも同じだ。
野球に詳しい人なら6回2失点が好投(良い成績)である事を知っている。
でもよく知らない人は「2点も取られちゃったんだ」という感覚で見る。
日本シリーズやWBCという大舞台しか見ない人からすると1点でも取られたピッチャーは批判の的になる。
ピッチャーやDFは0点に抑えて初めて褒められる。
他にもある。
電車
100日間遅延しなかったら凄い事なのに、それには触れられず1度でも5分遅延したら謝罪に追い込まれる。
水道・電気・ガス
年単位で安定供給されている事に全く感謝されず数分止まったら謝罪。
トラブルが起こった時、原因を究明し同じ事が起きないようにする事は大事だ。
でも同時にそれまで安定していたのであれば安定していた事への賞賛もするべきだ。
(人命に係る医療や教育現場などは別次元かもしれないが)
批判にするにしても根底には「愛」が有るべきだ。
以前、やはりワールドカップでPKを枠外に外して戦犯扱いされた「駒野」という選手が居た。
パラグアイという格上のチームに相手にPKまで持ち込めたのは駒野の力が有ってこそなのに、そこには触れられず、日本中から猛批判された。
庇っていたのは普段からサッカーを見ているファンだった。
普通の会社員がたった1つのミスでこれほど叩かれる事はそう無いだろう。
それがプロという厳しい世界だという人も居るだろうが相手は生きている人間なのだ。
同じ日本人なのだ。
まだスペイン戦だってあるのに何故批判を我慢できないのか。
SNSで発信してしまうのか。
自分の無責任な発言で傷つく人が居るという事を何故想像出来ないのか。
憤りを感じてしまう。
筆者は普段Jリーグも海外リーグも見ない。
ワールドカップしか見ないニワカもニワカだ。
みんな自分がニワカで有る事をもっともっと自覚して発言を慎むべきだ。
根底に愛が有り、𠮟咤激励するならまだ良いが叱咤しかしないなら毒でしかない。
ドイツを破るという驚異的なシーンが歴史に刻まれただけでも今回のワールドカップは超、とびきり面白いじゃないか。
日本代表、最高じゃないか。
森保ジャパン、最高じゃないか。
スペインは強い。超強い。
でも、やってみないとわからない。
点が取れなかった原因、失点の原因は監督はじめ選手が徹底的に分析して次戦に備えて準備しているはずだ。
反省は監督や選手に任せて我々はただただ応援すれば良い。
ワールドカップを楽しめば良い。
遠藤航が欠場になりそうなのは相当な痛手だ。
でも奇跡を起こすかもしれない。
それを楽しみに応援メッセージを送れば良い。
応援が力になるなら批判は力を奪うだろう。
批判はやめておこう。
楽しませてもらっている事にまず感謝しよう。
2戦終わった時点でまだベスト8にいける可能性が有る状況なんて想像していなかった。
いまこの状況に有るのは彼らの頑張りのおかげだ。
だから、ただただ無闇に応援する。
それが我々ニワカの、正しいワールドカップとの向き合い方だと私は思う。
頑張れニッポン!!
おしまい。