山崎晃大朗という野球選手が居る
クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが昨日始まった。
もう始まってしまったのでCSの事を書くしかないという謎の使命感で筆を執っている。
(本当は3連休に行ったキャンプや芋ほりや昭和の森公園について書きたいが、仕事が忙しく木曜になってしまった。)
誰でも知っている有名な選手
さて皆さん東京ヤクルトスワローズの選手で知っている人は何人居るだろうか。
野球に興味の無い人でも村上くんはご存じだろう。
今年3冠王&ホームランで王貞治さんの記録を越えた現日本球界を背負って立つ選手だ。
まだ22歳。史上最年少の3冠王。野球の神に愛された村神様という愛称だ。
史上初の5打席連続ホームランもやってのけた。
驚異的な身体能力とセンスを兼ね備えた大谷くんと肩を並べる日本の宝だ(絶賛)。
そして山田哲人。
あえて同じ22歳の時の写真を掲載してみた。
山田はトリプルスリーを3年連続で達成した。
トリプルスリーという(打率3割、ホームラン数30本、盗塁成功数30回)記録は1950年から数えて10人12回しか達成していない。
その12回の内3回がこの山田だ。信じられない。
https://npb.jp/history/alltime/triplethree.html
あのイチローですら達成していないと言えば凄さが伝わるだろうか。
イチローは安打(ヒット)製造マシンと呼ばれ打率と盗塁は世界一のクラスだがホームランは一番多い時でも25本と30本には届いていない。(イチローの凄さはまた別次元です。)
今年は調子が悪く打率が2割5分を下回ってしまったがここ1番で打つ勝負強さは健在。
高津監督
この3人が超有名で野球に興味の無い筆者の妻でも知っているクラスだ。
野球好きなら知っているであろう選手
次にヤクルトファンでなくても野球好きならという選手を挙げる。
小川泰弘
ヤクルトの看板投手。通称ライアン。
ノーラン・ライアンというかつてのアメリカ名選手が考案した独特のフォームから投げられる球は打者からは球筋が予想しにくく毎年好成績を残す。
開幕などその年の顔によく選ばれるピッチャーだ。
田口麗斗
巨人から移籍して「田口の20球」と呼ばれる延長戦ノーアウト満塁のピンチで交代選手として出場し1点も取らせず抑えた救世主。
重要なピンチでほぼ必ず召喚され、田口でダメなら仕方ないと言われる選手だ。
高橋奎二
元AKB板野友美さんと結婚したイケメン、ミスター完封。
去年覚醒し、日本シリーズでオリックス相手にプロ初完投・初完封勝利を挙げ、優秀選手賞を獲得(wiki参照)
板野さんと結婚してからどんどん優秀になっていき、赤ちゃんが生まれる前後から完全に覚醒した。なのでヤクルトファンの間で板野さんはとても愛されている。
他にも石川雅規(カツオ)や奥川恭伸が居るのだがピッチャーばかりになってしまうのでやめておく。
(あのヤクルトが他球団に誇れる投手王国になったなんて信じられない)
奥川くんはライアンの次にヤクルトの看板ピッチャーになれる存在。現在はリハビリ中。頑張って欲しい。石川はこれからも現役でいてくれ。
オスナ
ヤクルトが誇る助っ人外国人。
めちゃくちゃ打率が良いとかめちゃくちゃホームラン打つわけじゃないのに「ここに1本欲しい」という所で打つ。昨日のCSでも1回にいきなりスリーランを放ち阪神タイガースの出鼻を挫く。
相手からしたら「ここでオスナは嫌だな~」という所でオスナに回ってきて「あ~あ」という形でオスナは点を取っていく。重要場面以外でもそこそこ打つが数字よりも記憶に残る選手だろう。
よくサンタナとごっちゃにされるが昨日のようによくアベックホームランなどで2人同時に活躍するので他球団ファンはごっちゃでも構わない。(どっちも嫌な時に打つから)
塩見泰隆
イチローに憧れた青木宣親、青木宣親に憧れた山田哲人、そして(山田哲人に憧れているかは知らないが)その次の時代を築いているのが塩見だ。
不動の1番バッター。打つ、そして足が超速い。打率は3割に届いていないが俊足を活かし塁に出ると本当に良い働きをする。テレビにも村上、山田と並んで出ている。
性格は天然らしい。
球界の頭脳。去年の日本シリーズMVP。
かつての古田、城島、里崎クラスの名捕手だ。
彼も29歳で覚醒した。30手前の29歳というのはプロスポーツ選手に何かその後の人生を左右させる契機が訪れやすいのかもしれない。
愛称はムーチョ。打って良し、リード良しの不動の正捕手。
他にも天才:川端慎吾、元メジャーリーガーの青木宣親、今期引退する内川、坂口等を書きたかったがこのままだとこのブログが終わらないので省く。ごめん。
ヤクルトファンじゃないと知らないであろう選手
ようやくここまで来た。
今のヤクルトはスター選手が多すぎて一苦労だ(嬉しい悲鳴)。
ここまで挙げられなかった選手の中には投手の石山や清水、原など
優秀だけどヤクルトファンじゃないと知らないであろう選手はもちろん多く居るが、
今回筆者がどうしても書きたかったのがタイトルに有る山崎晃大朗(やまさき こうたろう)だ。
筆者は今、この選手が1番好きだ。
ヤクルトファンの間では「お尻が痛いでーす。」で有名。(動画参照)
この選手の何が凄いという特筆すべき点は難しい。
塩見と同じくらい足が速いが2番バッターで器用される事が多いため盗塁も今年ようやく10。
打率も2割5分前後をうろちょろする。
守備も非常に上手く肩が強いので三塁を回ってきたランナーを刺したりする。
走攻守揃っている良い選手だ。
山崎と言えばこれ!という記録は無いが、欠点の無い選手に成長した。
最近のヤクルトで「成長を著しく感じる選手は誰ですか」とヤクルトファンにアンケートを取ったら間違いなく1位~3位を取る選手だろう。
その成長は目覚ましく、今の若手の希望になっていると思う。
ただこんなに華々しい選手では決してなかった。
筆者が1番好きだと感じるのは「くらいつき、死に物狂いで、がむしゃらに、がけっぷちで、ついに昇華」といった今の世に薄くなってしまった情熱を彼のプロ野球人生に感じるからだ。
打撃成績をNPBのHPから拝借して枠線を付けた。
2016年に入団、2017年から1軍に入るものの成績は振るわず怪我人が出た時の交代打者、交代出場、試合に出るには何らかのアクシデントであったり理由が必要な交代要員だった。
2019年から成績が良くなりだすもチームの成績は2期連続6位という中で、飛びぬけて良くはなかったため立ち位置が定着せず。
2020年、監督が高津さんになり覚醒。
覚醒の要因が高津さん率いる首脳陣にあるのか本人に有るのかは不明だが記録だけでなく記憶に残る活躍が増えてきた。
本人曰く「自分はスター選手じゃない。毎試合、次でも使ってもらえるようがむしゃらに塁に出る事を考える。チームに貢献できる事を実行する。」といったインタビューを見た時にはっとした。
子供の頃から野球が上手で、街では神童だ、数十年に1人の逸材だと言われてきた人たちがプロになる。
プロになる事は夢の1つで叶う事は凄い事なのだがプロになった後に活躍するのはもっと大変だ。
プロで居続ける事は一定の基準以上の才能と努力が必要で、
更に1軍に居続ける事は成績を出し続けるしかない。
毎年引退や自由契約で大勢去っていく厳しい世界だ。
山崎は甲子園出場経験が無いものの大学で活躍しドラフト5位で入団、「きみ結構良いねぇ」なんて言われて1軍昇格するも「結構いいねぇ」レベルでは通用しないプロの洗礼を浴びる。
村上や山田のように若くしてスターになる超一流をSとすると山崎はAどころかBと呼べるかどうかという選手だった。
1軍ではあるものの27歳を超えてもまだ光らない。光れない。
ただそこで今の自分がSやAでない事を受け入れ、腐らず、ひたむきに自分自身と向き合い続けた結果、現在3冠王率いる最強のチームでレギュラーの座を獲得している。
いきなりゲームの話になり恐縮だが、野球ゲームにはステータスという能力値が有り、
基本的に毎年それは伸びていきピークを越えると下落していく。
だが現実の世界はそんなに安定して伸びる事はなく上がったり下がったりを繰り返す。
今の山田が良い例だ。(今後また伸びる事を信じてるが)
山崎晃大朗はそんな中で「くらいつき、死に物狂いで、がむしゃらに、がけっぷちで、ついに昇華」というむき出しの根性と表現して差し支えないだろう姿勢で取り組んで自身を名プレイヤーに育て上げた。
監督やコーチが良かったのかもしれない、でも本人の努力なしにもそれは成し得ない。
素晴らしい選手だ。
世の中には大谷くんや村上くんのようにスゲー奴らもいるがそれはほんの一握り。いやひとつまみ。
才能があってその世界に入ってもうまく活躍出来ない人の方が多いのだ。
生涯をほぼ2軍で過ごし1軍で活躍する事を夢見たまま自由契約になる選手だって少なくない。
でも山崎晃大朗は諦めず逃げず、自分を受け入れ活路を見出し自己プロデュースに成功した。
今やリーグきっての2番バッターだ。
かつての名2番バッターたちに引けを取らない活躍ぶりで昨日もやはり活躍していた。
上のヒーローインタビューでも言っているが「粘りに粘って相手ピッチャーを疲労させる職人芸」や俊足を活かした広い守備範囲など、
単純な打率や打点だけには現れない「勝利への貢献度」という意味では山崎晃大朗がチームトップクラスなのだ。
100年に1人の逸材ではない。
でも、だからなんだ、それがどうした。それでも出来る事をやるんだ。
山崎を見ているとそんな言葉が浮かんでくる。
新庄監督曰く「プロ選手同士だと持っている才能にほとんど大差がない。活躍する選手はそこから更に磨ける人。」らしい。
山崎を見ていると平凡なサラリーマンの41歳の筆者ですら「自分もまだまだ出来る事が有る」と焚きつけられる。
若手選手も彼を見て尊敬していることだろう。
今後も活躍して是非日本シリーズ連覇に導いて欲しい。
ここに名前を挙げられなかった選手も山崎のように活躍できる日がくるかもしれない。
しかしここまで紹介したくてもしきれないスター選手揃いのヤクルトなんて久しぶりだ。本当に嬉しい。書いていて楽しい。
頑張れヤクルトスワローズ!
頑張れ山崎晃大朗!
おしまい。