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三国志 ~司馬懿 軍師連盟~

中国時代劇「三国志~司馬懿 軍師連盟~」|BS日テレ

 

中国の大河ドラマ三国志 ~司馬懿 軍師連盟~」にハマっている。
amazon primeとHuluで見れます。)


項羽と劉邦 King's War

三国志 Three Kingdoms

この2つを見ているので中国大河ドラマは大変面白いと言うイメージが有る。
(日本のドラマを悪くつもりは無く中国大河ドラマも面白いよという意味です。)

明けても暮れても子供が寝ている時間はこの作品にどっぷりだ。


[三国志のあらすじ]


三国志の歴史を知らなくても楽しめる作りになってるが念のため簡単に振り返りたい。
西暦180年~280年の100年に渡る戦国時代。(日本だと卑弥呼の時代だ。)

1,後漢末期、政治腐敗が進み黄巾の乱が発生
2,董卓が専横を振るう
3,董卓死亡により戦国時代へ
4,曹操袁紹を破り最大勢力へ
5,劉備孫権赤壁の戦い曹操を破る
6,三国時代突入


劉備軍の天才軍師、諸葛亮が発案した天下三分の計により曹操の天下統一は阻まれ国が3つ有る状態が数十年続く事になる。

三国時代に突入する前は劉備が主人公でライバルは曹操だったが、
突入後は孔明が主人公でライバルは司馬懿である見方が強い。


この司馬懿がどういう人物でどういった生涯だったかを追う今作。
三国志諸葛亮のライバルとして知られる司馬懿(しばい)が主人公という有りそうで無かった設定だ。


正直渋い。
おおよその三国志作品では孔明のライバルとしか描かれなかった彼がどういった人物(人柄)であるかについては全く知らなかった。
日本の大河ドラマでも軍師官兵衛黒田官兵衛)とか「山本勘助」とか戦上手の軍師が主人公になる作品は有ったが、文官である司馬懿三国志でスポットを浴びるのは50歳近くなってからだ。

本作はあらすじ4(曹操袁紹を破り最大勢力へ)の少し手前、司馬懿の父が曹操暗殺計画に加担した疑いを持たれた所から話が始まる。

 

[見どころ]


1、とにかく牢屋にぶち込まれる。

主人公である司馬懿はよくよく牢屋に縁が有るようで、
中盤になると「またかよ」と笑ってしまうくらい何度も何度も牢屋にぶち込まれる。
罠にハメられたり反逆を疑われたり時には自ら入ったり、よくこんな人が総理大臣的なポジションに成り上がれたものだ。

 

 

 

2,私欲がなく家族愛に溢れる好人物。

中国歴史ドラマ「三国志〜司馬懿 軍師連盟〜」 | ドラマ | WOWOWオンライン

正義感が強く家族を愛し、出世欲も無く賄賂も通じない。
非の打ち所がない人物だが奥さんには頭が上がらず恐妻家であり愛妻家だ。
才能に溢れているのに謙虚で私欲が無い、それ故に警戒される事も多い。

 

 

3,罠を脱していく事で逆に出世していく。

毎回、司馬懿の能力や出世を妬む人が彼を罠にかけたり窮地に追いやったりする。
品行方正な孔明のライバル故に権謀術数で腹黒いイメージの強い司馬懿だが、
司馬懿の敵は劉備でも孫権でもなく国内で私欲にまみれる曹操の親戚とその取り巻きだ。
彼らは毎回「これはもうダメじゃないかな。」と言う所まで司馬懿を追い込むが逆に司馬懿発想の転換や人脈によって事態を好転させていく。
毎日薄氷の上を歩くような政争生活に「もう引退した方が…」と思うが、それすら許されない状況で見ていてハラハラさせられる。

 

 

司馬懿の性格が実際のところどうだったのかは分からないが彼が優秀である事は間違いなく、
皇帝を除けば国のNo.1までのし上がるだから能力と人徳を兼ね備えた人物である可能性は高い。

褒美や贈り物を受け取らず、徒党を組まず、礼を尽くした人物が大成していくサクセスストーリーは見ていて楽しい。

司馬懿はどうしようもなく理不尽な目に何度も何度も遭うが、必死で知恵を絞り戦乱の世を生き抜いた英雄の1人として描かれている。
おススメです。

 


最後に本作の特徴を書きたい。

[特徴]


1,日本やアメリカと違い、キリよく終わらない。
場面の途中でいきなりぶった切る。
本作だけでなく項羽と劉邦やThree Kingdomsでもそうだったのでお国柄なのだろう。
別に特別次回が気になる終わり方にしない。「時間が来たので続きは次週です」という切り方は日本やアメリカには無い斬新さを持っている。

 


2,曹操役が別作品で劉備役だったユー・ハーウェイさん

中国歴史ドラマ「三国志〜司馬懿 軍師連盟〜」 | ドラマ | WOWOWオンライン


曹操役と劉備役を両方演じるなんて珍しいんじゃかろうか。
日本で言えば豊臣秀吉徳川家康を演じるようなものだ。

劉備のイメージが強かったので最初違和感が凄かったが彼の引き込まれる演技力は凄まじく、今やすっかり曹操のイメージになった。

(ちなみに項羽と劉邦にも始皇帝役で出演している中国大河ドラマ界の重鎮だ。)

 

 

3,美女がえげつないほど美しい

18岁的曹丕,夺23岁已婚女青年甄宓为妻,曹丕的爱是真心吗?_凤凰网

曹丕曹操の息子)との結婚相手に甄夫人が出てくる。

歴史上とても重要な人で跡目争いなど宮中で勃発する政争に巻き込まれるのだが余りにも美しい事が原因の一つだった。

その役者さんの綺麗なこと。唖然とする美しさでCGなんじゃないかと思うほど。

 

 

 

4,司馬懿が出陣しない戦争の描写が皆無。
前半の司馬懿は文官なので90%以上が屋内のシーンだ。屋外でも家の庭であったり宮殿前くらいなので剣に槍にで殺し合いするようなシーンが無い。
故に、劉備関羽張飛の3兄弟はほとんど出てこない。劉備は1話だけ、関羽張飛は顔すら映らず。
司馬懿と直接絡んでいない人物はどれだけ重要でも出てこないのだ。

政争に次ぐ政争でどんなに大きな戦争でも司馬懿に関係無ければ結果だけふんわり終わる。
そんな三国志は見た事がない。

 

 


5,音楽と詩と風景が美しい

中国文化で多くの人に愛されているのは料理、音楽、風景だろう。
壮大な大陸で生まれる悲喜こもごもな音楽と詩、風景は視聴者をうっとりさせる。
価値観は現代と違うし日本人のそれとも大きく異なるが結局人が感動するのは変わらないのかなと思わせる。
中でも良いシーンで流れる音楽が好きだ。中国の音楽は美しい。

 

さいごに


以前、サンドウィッチマン芦田愛菜ちゃんの「博士ちゃん」と言う番組で三国志が大好きな少年が出演していた。
彼は「三国志から学ぶ事は多い。例えば礼儀より欲を優先すると信用を失うとか、約束を破ると結局最後は痛い目に遭う。」といった歴史から出来事を教訓にしていた。

脚色は多いに有るだろうが、本作は「かくありたい」と思う司馬懿の誠実な人間像を背景に「信用という物は人間社会にとってやはり1番重要なものだ」とか「守るべきものは家族や友人」であると再認識させてくれるドラマだ。

 

今日も早く続きが見たい。

 


おしまい。