つつがなくそつがなく

ふらっと訪れクスっとしてもらう事を目指すブログ

和船に入門した話。

新川さくら館公式サイト|画像ギャラリー

(写真参照元新川さくら館公式サイト|画像ギャラリー

 

和船(わせん)に入門した話を書く。

 

今回の記事はどうしても写真を使いたかったのでGoogleの画像検索でヒットしたものを参照元を掲載して拝借しました。

削除依頼があればすぐに消しますので大変お手数ですがご連絡ください。

 

では本題。

 

筆者の住む江戸川区はとにかく川が多い。

荒川、中川、江戸川などメジャーな河川の他にも大小7本。

親水公園を含めれば10を超える。

 

その中に新川「しんかわ」という川が有る。

 

船頭のボランティアをしている元上司が再び、今年も新川の千本桜に遊びに来ないかと誘われ、また連れとともに行って見ることに。<br />でも、声をかけられたのは連れの方で、私じゃないところがちょっと悲しい点でしょうか・・・<br />ここがいいところは、都内中心部にあふれるくらい桜を見に来た外国人観光客が皆無なところですね。江戸川区民を中心とした近隣の住民が花見にくる状況で、ゆったりと花見が出来ます。

 

(写真参照元https://4travel.jp/travelogue/11477786

元々は戦国時代末期、江戸へ赴任した徳川家康が行徳から塩を始めとする物資を運ぶために開削されたらしい。

現在は先人の努力で綺麗に整備され、江戸を感じさせる橋や柵がとても粋な人気散歩コースだ。

 

 

この川には写真のように桜や夏まつりの時期、ボランティア団体による和船を体験できるイベントが有る。

 

筆者はまだ乗った事が無かったが、この川を通る時に運航しているのを見かけて良いなぁと常々思っていた。

そもそもこの船、期間限定な事も有りめちゃくちゃ人気なのだ。

我が家は子供がまだ小さいのもあって、乗れるのはまだまだ先だと諦めていた。

 

 

だがなんと、現在船頭を募集しているという。

そこで色々とTwitterでご縁が有り、晴れて今回入門させて頂く運びとなった。

 

特別なコネクションや資格は不要だがまだ1回参加した限りの新参者なので団体名の掲載はしない。

メンバーとして自信を持てるようになったら改めて詳細を書こうと思います。

 

 

とにかくボランティアにも興味が有ったし

川のゴミ集めなど新川の景観を守る事にも繋がるし

落語好きなので船頭は憧れの1つで有ったし

いずれ息子達に格好いい姿を見せられると、良いことだらけなので嬉しかった。

 

 

当日、小雨が降っていたので中止になってないかと思いながら集合場所へ向かうとTwitterでお声掛けしてくれたフォロワーさん(女性)がいらっしゃった。

ドキドキしながら声をかける。

「こんにちは~、あの~すみませんTwitterであの~」

「あー!こんにちは~!」

とすぐに分かってくれたのでスムーズだった。

 

 

消毒と簡単な入会手続きを済ませ説明を受ける。

筆者の他にも40代がもう一人居るらしく(この日は不在だった)

その他は70歳前後の人を主体とする団体だった。

 

 

早速師匠が決まり、2人の男性と船に乗る。

まず思ったのが、船がデカい。

全て木製で、井の頭公園のボートくらいしか知らない筆者はちょっと不安になった。

似たような船に乗った事が有るが乗客として乗るのと、これから操船すると思って乗るのではかなり違う。かなりデカい。こんなの操れるのか。

 

 

最大25名乗れるらしく、しっかりした頑丈な船だ。

大きいので揺れは少なく初めてでも平気で立っていられる。

 

 

師匠A「理屈より実践。押す時はこう、引くときはこう。さあやってみて。」

師匠によるデモンストレーションは1分ほどで櫓(ろ)を渡される。

ボートで言うオールみたいなものだが重さが尋常ではない。

何しろ人力で25名を運べる道具だ、かなり長いしゃもじで水をかくようなイメージだろうか。

 

 

実践しながら師匠Aが理屈を説明してくれる。

櫓を押したり引いたりして船は進む。

反転させる時にレバーのようなでっぱりを握って櫓を倒したり起こしたりする。

 

師匠Bは筆者が左右に舳先(へさき)をグルグルさせるので川岸にぶつかりそうになったら棹(さお)で修正してくれる。

また師匠Aの見本のどこに注目すべきかを教えてくれた。

二人とも凄く親切に熱心に教えてくださった。

 

 

気を抜くとすぐに川の端っこに行ってしまう。

師匠いわく「漕げば曲がる。その曲がりを修正しながら進む。すぐに分かる。」だった。

 

 

 

当日は小雨ぱらつく曇り。

極寒だと思ってめちゃくちゃ厚着していったが2,3分でじとっと汗が出て

7,8分で上着を脱ぎ棄てた。

 

師匠方は寒い寒いと言って、見本を見せる為に漕いでも汗ひとつかかないし呼吸も乱れない。

筆者はそこそこ力には自信が有る。

しかし櫓はめちゃくちゃ重たいし、外れると1人では持ち上げられないしゼエゼエヒイヒイ言いながら漕いでいる。

 

櫓は中心に穴が開いており、船から出ている丸いでっぱりにハメる事で左右に動かせる。筆者のような初心者はそのでっぱりをよく外す。

そこを線の細い師匠が外れた櫓をひょいっと持ち上げる。漕ぐ時も見かけから想像できないほど早く漕ぐ。

漫画に出てくる達人そのものだった。

 

 

理屈をまだ理解出来てないので技術的な話は省くがとにかく30分近く漕がせてくれたので体が少しずつ覚えてきた。

ノロノロ直進だけなら何とか出来るようになった。

 

 

凄く褒めながら指導してくれるのでやる気も俄然出る。

10年に1人の逸材だくらいのテンションで褒めてくれるから超楽しい。

子供は居るの?とかどの辺に住んでるの?といった世間話にも段々と応じられるようになり、前を見ながら漕げるようになった頃には船の虜になった。

 

 

 

新川沿いは静かな住宅街だ。

モーターボートを使わないALL人力の船は静かにすーっと進む。

まだ筆者は下手くそなのでバシャバシャいって鳥を驚かせたりするがリズムに乗った時の「すーっ、じゃぶじゃぶ」という音だけの世界、前方にはいくつもの橋とスカイツリー。当日は曇りだったが晴れると最高だ。

f:id:ghayabusalive:20220221154333p:plain

(画像参照元https://4travel.jp/travelogue/10905598

 

全然漕げてないのに通行人(特に子供)が手を振ってくれるのでそれに応える。

落語の「船徳」にも全然下手くそなのに若い女性が通る時だけ格好つけるシーンが有るので自分で自分に笑ってしまった。

 

 

落語のイメージではかなり体力を要するので一週間前から筋トレに励んだが、

くたくたになって夕方には力尽きて居眠りしてしまった。

今日も体が痛い。

 

師匠方は余裕しゃくしゃくなので無駄な力をたくさん使っているのだろう。

 

最後に片付けを教わりメンバー紹介をしてもらって解散。

紐の結び方、接岸、Uターン、メンテナンスなどこれから覚えていく事が多いらしく楽しみだ。

 

定年後に参加したいと思っていたが予期せぬタイミングで入門出来てラッキーだった。

地域に知り合いが増えるのも嬉しい。

 

 

いつかは筆者も一般の方を乗せて景観の一部となれるのだろうか。

まずは家族や友人を乗せられるレベルになりたい。

ライフジャケットを着るので最悪転覆しても身内なら大丈夫だ。

 

江戸川区に引っ越してきて良かった。

頑張るぞ~。

 

 

おしまい。