つつがなくそつがなく

ふらっと訪れクスっとしてもらう事を目指すブログ

情シス・社内SEというお仕事

コンピューターを使うアザラシのイラスト

情シス・社内SEというお仕事について書く。

出来るだけ専門用語を使わず分かりやすく書く。

 

SEはシステムエンジニアだ。

情シスとは情報システム部。社内SEとは情報システム部で働く人。

(正式な定義は知らない。)

 

 

筆者の職業だ。

イラストとは全く関係ない。

「いつ使うんだこの素材」と言う「いらすとや」さんのセンスが好きなので拝借した。

 

 

筆者はとあるメーカーの情シス・社内SEとして12年くらい働いている。

(正確に言うと別の部署に異動した期間もあるので6,7年だ。)

この職に就く前は小さなシステム会社のSEだった。

 

社内SEと普通のSEではハッキリした違いが有る。

お店とお客の関係だ。

 

普通のSEはシステム会社に勤めている。

彼らはシステムの売買や導入支援および保守を生業としている。

 

 

対して社内SEとはシステム会社の商売相手だ。

SEが勤める会社の営業が社内SEに売り込み、商談成立したらSEが動く。

(実際には他にプログラマ、ネットワークエンジニア、データベースエンジニア、データエンジニアなど様々な作業員が居るが主旨とブレるので省く。)

 

 

とにかくシステム会社やパソコンの会社に売り込みされる人が社内SEだ。

売り込みされたりこちらから相談して社内にベストなシステム環境を作る。

 

 

このお仕事。

業務内容を人に説明しても大体ぼんやりされてしまう。

 

 

 

 

新卒の研修で部門紹介というコーナーが有る。

ほぼ全部署から1人か2人駆り出され、自分達の業務内容を説明する。

 

大体尺が50分有る。長い。

全部署50分聴かなければならない新卒には毎年同情するが、やっている事は多岐に渡るのでネタに困る事はない。

 

だがぼんやりされてしまう。

 

 

そうなのだ。

よく分からない職業なのだ。

 

 

メーカーのベース業務は下記の通りである。

すなわち開発、研究、製造、広告、営業だ。

このベースラインに我々は居ない。

 

 

人事、経理、総務などベースラインに居ない部署は他にも有る。

これらの部署または役割が無い会社というのは今時珍しいだろう。

 

だがその中でもよく分からないランキング上位になるのは情シスだ。

 

一通り説明し終わったあとのリアクションと言えば

「要はパソコンとシステムね、はいはい。そういうアレね。」

 

そういうアレだ。

 

そういうアレを羅列してみる。

 

  1. パソコンやデバイスの面倒を見る。(買う、捨てる、ヘルプデスク)
  2. ネットワークの面倒を見る。(構築、切り替え、セキュリティ)
  3. システムの面倒を見る。(選ぶ、構築、セキュリティ、ヘルプデスク)

 

「情報システム部 業務内容」で検索してみたが何処も変わらない。

大体この3つだ。

 

「あれやりたいこれやりたいを叶え、叶えた後はそれの面倒を見る」

それが社内SEだ。

 

 

 

例えば近年で言うとテレワーク(リモートワーク)だ。

 

2020年、世界はコロナに包まれた。

東京都の調べによれば2020年3月ごろの都内テレワーク普及率は24%だった。

そこから緊急事態宣言で急上昇、65%まで跳ね上がった。

総務省調べによると大手だけに限れば83%まで上がった。)

 

我々社内SE達はどうしていたか。

そのテレワーク導入対応に追われていた。

筆者はドラマの逃げ恥を見ていないが星野源さんが正にその役、その職業で奔走するシーンがあったそうだ。

 

まず大量のノートPCが必要だった。

Windowosノート、MacbookタブレットPCタブレット、争奪戦が始まった。

 

必要なものはパソコン、VPN(自宅から会社に繋ぐ事を許可する暗号通信)、カメラ、マイク、イヤホンだ。

カメラやマイクが無いパソコンを使っている人も大勢いた。

従業員数は言えないがそこそこの規模の会社なので入手が大変だった。

 

そしてWeb会議システム。

幸いWeb会議システムそのものは導入済みだった。

だが「何言ってんだ、会議や商談は会ってした方が良いに決まってるだろプンプン!」というおじさん達のせいで中々浸透しなかった。

 

なので使い方の説明書を一新し、説明会を管理職に受講してもらい部下に説明してもらう手段を取った。

 

物凄く大変でワチャワチャした。

おそらく日本中、いや世界中の社内SEがワチャワチャしたのは2020年だろう。

 

 

そんなワチャワチャも新人研修で説明する時には2,3分で済まさなければいけない。

切ない話である。

 

それが社内SE。

謎のベールに包まれた我々の職業である。

 

 

筆者はSEから社内SEへの転職組である。

社内SEになるというのは1つの大きな選択だった。

 

 

SEと社内SEではあまりにも業務が違う。

言うなれば一流の料理人を目指していた人がファミレスに転職するようなものである。

 

 

自分で独創的なコース料理を作る事はもう無い。

誰かが考案してきた料理を採用するか決める側になるのだ。

 

 

だが、ファミレスはファミレスで多くの人達を幸せにする職業だ。

試食して採用を決めた料理が美味しければ感謝される。人の役に立っている。

住めば都。培ったスキルを大いに活かせるので良い職業だと思っている。

 

 

何が言いたいかというと、

今システム会社で低賃金でこき使われていると感じているIT関係者が居たなら、

もし転職を考えているなら、システム会社を抜け出し社内SEという生き方も検討してみてくだされ、という事だ。

 

 

 

最後に。

「分かったけど、で、いくらもらってるのよ。」という方もいらっしゃるだろう。

筆者は昨年マネージャークラスになった。(部下0人のマネージャーだ。何をマネージするのか。

 

 

しかし給料が爆上がりという事はなく緩やかに上昇していく昭和スタイルの会社だ。

現在40歳、年収は650万円だ。

多いのか少ないのかは人それぞれだろう。

残業代が出なくなったので毎日早く帰る事だけを考えている。

 

 

雇用条件は会社の規模や経営状態にもよる。

だが社内SEは何処の会社も人不足だったりする。

SEが社内SEになるのを躊躇する為だと思っている。

 

良い仕事なので前向きにご検討を。

 

 

おしまい。